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PICK UP

ピックアップ

こうの史代展 
鳥がとび、 ウサギもはねて、 花ゆれて、 走ってこけて、 長い道のり

漫画原画500枚以上!
カラーイラスト、挿絵原画、
絵本原画、資料等も多数展示!

『夕凪の街 桜の国』(手塚󠄀治虫文化賞新生賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞)『この世界の片隅に』(文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞)で知られる、こうの史代の全貌に迫る初の大規模原画展ついに開催!

こうの史代展「《夕凪の街 桜の国》カバー、2004年 ©こうの史代/コアミックス」

《夕凪の街 桜の国》カバー、2004年 ©こうの史代/コアミックス

こうの史代は、今年で漫画家生活30周年を迎えます。

こうの史代の漫画は、デビューの最初から、キャラクターも、背景も、等しく愛らしいタッチで描かれています。それは4コマ漫画でも、ほのぼのショートストーリーでも、神話ものでも、戦争ものでも変わりません。
戦争ものだから急にシリアスに、というふうに描くことがないのです。これまでの作風の流れを切断しないことで、すべてがつながっている、読者はそう感じます。
見た目は愛らしいけれども、力強さ、柔軟さ、しぶとさがその線には宿っています。

こうの漫画は、愛らしいタッチのまま、実に多彩です。どれをとっても、似た作品がありません。
ひとつの作品を描くごとに、新しい、まだ見たことのない漫画表現の可能性へ向けて、一歩ずつ歩き続けているからです。
こうの史代のいる場所から見ると、見慣れたはずの「漫画」という表現が、新鮮な姿に見えてきます。
ほら、まだこんなに描くことがあるよ、というように。
そう、決してこうの史代は、一つや二つの作品で、象徴できる漫画家ではないのです。
一人の漫画家として、こうの史代が歩いてきたすべての道のりを、この展覧会ではたどります。

本展は、一人で見に来たとしても、きっとさびしくないでしょう。
それは、彼女のあたたかい、友達のような目線が、原画を見るあなたと見つめ合うからです。

《こっこさん》 2005年 ©こうの史代/エブリスタ

こうの史代制作風景

こうの史代プロフィール
PROFILE

こうの史代制作風景

こうの史代プロフィール
PROFILE

こうの 史代こうの ふみよ

1968年広島市生まれ。広島大学理学部中退。放送大学教養学部卒。1995年、「街角花だより」の連載で漫画家デビュー。インコとの日常を描く4コマ漫画「ぴっぴら帳(ノート)」で人気を博す。ニワトリと少女のユニークな日々を綴ったショートストーリー漫画「こっこさん」、子供の心を見開きページに釘付けにしたカラー漫画「かっぱのねね子」も同時期に連載。夫婦の気ままでコミカルな永遠の一日を捉えた「長い道」、こうの自身より年齢が上の主人公を初めて描いたドタバタ二世帯喜劇「さんさん録」でさらなる新境地を開く。原爆の被害とその後に続く“終わっていない”日々を真摯に紡いだ「夕凪 の街 桜の国」を発表し、話題に。同作で第9回手塚󠄀治虫文化賞新生賞、第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞、映画化やドラマ化もされた。広島の軍都・呉の戦災を描く「この世界の片隅に」は、戦前から戦後まで、個人の時間を奪う戦争の惨禍のすべてを、日常の低い視点から力強く描いた。本作は第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞、またアニメーション映画(片渕須直監督)がロングラン大ヒットを記録。こうのにとっても集大成的な作品となった。その後も漫画という表現に対する好奇心は尽きず、非凡な才能炸裂のエッセイ漫画「平凡倶楽部」、ボールペンだけで古事記を忠実に漫画化した「ぼおるぺん古事記」(古事記出版大賞稗田阿礼賞受賞)、東日本大震災の翌年から描き継がれている「日の鳥」、漫符を素材にした画期的な漫画図鑑「ギガタウン 漫符図譜」、百人一首と遊んだ華麗なるカラー1コマ漫画「百一  hyakuichi」など、ひとつとして似ていない作品を続々と発表。最新作「空色心経」では般若心経とコロナ禍の日々を2色の糸で撚り合わせるように重ね、時空を超えた世界と日常を結んでみせた。ブログ「こうのの日々」では「空色心経」の制作過程やインコTさんとの日常、日々のスケッチなどを公開している。

監修者プロフィール

福永 信ふくなが しん

1972年東京都生まれ。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)芸術学部中退。1998年、短編「読み終えて」でリトルモア・第1回ストリートノベル大賞を受賞し小説家デビュー。主な小説集に「アクロバット前夜」、「コップとコッペパンとペン」(表題作でユリイカZ文学賞受賞)、「星座から見た地球」、「一一一一一」、「実在の娘達」などがある。アンソロジー編集に「こんにちは美術」、「小説の家」(第4回鮭児文学賞受賞)、企画編集に「フジモトマサル傑作集」、展覧会企画協力に「カワイオカムラ ムード・ホール」展、「絵本原画ニャー! 猫が歩く絵本の世界」展、「芦屋の時間 大コレクション」展など。「遠距離現在 Universal/Remote」展図録に短編小説を寄稿。2015年、第5回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。

こうの史代展 開催概要

展覧会

漫画家生活30周年 こうの史代展 鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり

会期

2025年5月2日(金)~5月25日(日)

休館日

会期中無休

開館時間

10時00分~18時00分 (入場は閉場の30分前まで 最終日は15時閉場)

会場

金沢21世紀美術館 市民ギャラリーB(金沢市広坂1-2-1)

主催

北陸中日新聞、石川テレビ放送

共催

金沢21世紀美術館[(公財)金沢芸術創造財団]

後援

石川県、金沢市、金沢市教育委員会、いしかわ結婚・子育て支援財団

監修

福永 信

協力

呉市立美術館、コアミックス、朝日新聞出版、日本文芸社、平凡社

企画

青幻舎プロモーション

特別協賛

東海東京証券

アクセス

金沢21世紀美術館

〒920-8509 石川県金沢市広坂 1-2-1
https://www.kanazawa21.jp

[路線バス]
JR金沢駅バスターミナル 兼六園口(東口)より
3番、8番乗り場よりバスにて約10分「広坂・21世紀美術館」にて下車すぐ。または、8~11番乗り場よりバスにて約10分「香林坊(アトリオ前)」下車、徒歩約5分。
※最新の運行状況は、各交通機関のホームページなどでご確認ください。
[自家用車]
北陸自動車道から「金沢西」「金沢東」「金沢森本」ICからそれぞれ約20~25分。

チケット

 当日前売り
大人1,200円900円
高校・大学生900円700円
小・中学生700円500円

5/2(金)トークショー参加券付チケット
限定150枚

 前売りのみ
大人900円
高校・大学生700円
小・中学生500円

※トークショー参加券付チケットはBoo-Wooチケット・ローソンチケットで購入できます。

こどもの日アイコン

こどもの日デー

5月5日(月・祝)は小学生以下の入場料が無料。ただし、保護者同伴でのご入場をお願いします。
※小学生の前売券をご持参でも返金はいたしません。

チケット取扱場所

・チケットぴあ(Pコード:687-161)
チケット購入
・セブンチケット(セブンコード:108-991)
チケット購入
・ローソンチケット(Lコード:51353)
チケット購入

・イープラス[チケット購入
・Boo-Wooチケット[チケット購入

★中日サービスセンター(中日新聞北陸本社1F)/★石川県立音楽堂チケットボックス/★香林坊大和プレイガイド/★アピタ松任ティオ/★うつのみや各店/★金沢中日文化センター(金沢エムザ2F)/★北陸中日新聞販売店 など
(★は前売券のみ販売)

  • ※前売券販売期間 2025年2月28日(金)10:00~5月1日(木)
  • ※未就学児は無料。
  • ※障害者手帳、療育手帳をご提示の場合は、ご本人様は前売り料金でご入場いただけます(障害者付き添いの方は1名まで無料)。
  • ※プレミアムパスポートご提示で大人当日料金から100円引きでご入場いただけます。
  • ※シニア(65歳以上)の方は、平日(祝日を除く月~金曜日)に大人当日料金から100円引きでご入場いただけます。
  • ※各種割引は重複してご利用いただくことはできません。ご了承ください。

見どころ

漫画家こうの史代の過去最大の展覧会

大ヒット作「夕凪の街 桜の国」「この世界の片隅に」の原画展はこれまで数多く開催されてきましたが、デビューから現在までを網羅した大規模な回顧展は、本展が初めてです。500枚以上の漫画原画を展示、膨大な挿絵原画、絵本原画、作品のコンテやメモ、ブログ「こうのの日々」に登場するスケッチブック、制作風景を記録した初公開の映像など、こうの史代の画業のすべてがわかる展覧会です。

《かっぱのねね子》その5、2001年 ©こうの史代/朝日新聞出版

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《この世界の片隅に》上巻総扉、2006年 ©こうの史代/コアミックス

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《 ギガタウン 漫符図譜》 2016年 ©こうの史代/朝日新聞出版

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《 ぴっぴら帳(ノート)》1巻カバー、2000年 ©こうの史代/コアミックス

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1. 《かっぱのねね子》2001年 ©こうの史代/朝日新聞出版
2. 《この世界の片隅に》上巻総扉、2006年 ©こうの史代/コアミックス
3. 《ギガタウン 漫符図譜》 2016年 ©こうの史代/朝日新聞出版
4. 《ぴっぴら帳(ノート)》1巻カバー、2000年 ©こうの史代/コアミックス

貴重なデビュー前の原画も展示

デビュー前の原稿、また高校生の頃に制作した漫画の原画も展示いたします。すでに「こうの史代」ならではのタッチが、読者を今でもほんわか、楽しい漫画の世界に誘います。

《 星月夜》(「太田川」表紙、広島太田川ライオンズクラブ、1996年) ©こうの史代

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《 ありがた屋のよいちべえ》(投稿作、1995年) ©こうの史代

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WEEKLY漫画アクション新人賞募集イラスト、1993年 ©こうの史代

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1. 《星月夜》(「太田川」表紙、広島太田川ライオンズクラブ)1996年 ©こうの史代
2. 《ありがた屋のよいちべえ》(投稿作)1995年 ©こうの史代
3. WEEKLY漫画アクション新人賞募集イラスト、1993年 ©こうの史代

「1枚の絵」としての漫画原画

こうの史代はその初期からアシスタントを起用せず、原稿をすべて一人で描いています。着彩も本人がやっています。また一部を除いて、スクリーントーンをほとんど使用していません。原画で私たちが見ているのは、こうの自身の手によって描かれた線です。「1枚の絵」として、その線の躍動する魅力、新鮮な色彩の力を感じていただけると思います。

《 長い道》2001年 ©こうの史代/コアミックス

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《 ぼおるぺん古事記 一 天の巻》カバー、2012年 ©こうの史代/平凡社

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1. 《長い道》2001年 ©︎こうの史代/コアミックス
2. 《ぼおるぺん古事記 一 天の巻》カバー、2012年 ©︎こうの史代/平凡社

展示は「読める」ように工夫

連載作品の場合は1話単位、短編は全ページを基本に原画を展示いたします。こうのが構成したストーリーを分断せず、制作しているその時の「漫画家の気持ち」を体感することができます。各単行本のカバーのカラー原画も必見です。

当館のみの描き下ろしも展示

こうの史代が来館し、金沢を歩き、感じたことを、「あとがき」として展示スペースの最後に展示いたします。

出品予定作品リスト

※( )内は漫画の制作年です

  • 単行本化された作品の原画
  • 短編漫画原画
  • イラスト、挿絵原画
  • 絵本原画
  • デビュー前の作品原画
  • そのほか

「街角花だより」(1995-96/2003)
「ぴっぴら帳(ノート)」(1997-2004)
「こっこさん」(1999-2001)
「長い道」(2001-2004)
「かっぱのねね子」(2001-2002)
「夕凪の街 桜の国」(2003/2004)全ページ展示
「さんさん録」(2004-2005)
「この世界の片隅に」(2007-2009)
「平凡倶楽部」(2006,2009-2010)
「ぼおるぺん古事記」(2011-2012)パイロット版も展示
「日の鳥」(2012-)
「ギガダウン 漫符図譜」(2015-2017)
「百一 hyakuichi」(2018-2021)
「本のこども」自費出版(2020)
「空色心経」(2023-2025)

「手紙」(2005)
「風の中の歌」(2006)
「ヒジヤマさんの背筋が凍った瞬間」(2013)
「はるかなる日々」(2018)
「リーゼと原子の森」(2018)
「アマビヱさん」(2020)
「描く人へ」(2025)

「WEEKLY漫画アクション」新人賞募集イラスト(1993)
冊子「太田川」表紙イラスト、同時掲載の4コマ漫画「柔六じいさんと牡丹」(1994-1997)
「日本の鉄道ことはじめ」挿絵(沢和哉/1996)
「ヤンババの育児出産子育て知恵袋」挿絵(金澤直子/1997)
「まんがタイムジャンボ」もくじイラスト(1997-1999)
「日本の鉄道こぼれ話」挿絵(沢和哉/1998)
「天下無敵のお嬢さま!」全4巻、カバーイラスト(濱野京子/2006-2008)
「吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日」カバーイラスト(森光子/2010)
「春駒日記 吉原花魁の日々」カバーイラスト(森光子/2010)
「荒神絵巻」カバーイラスト、挿絵(2013-2014)
「荒神」カバーイラスト(宮部みゆき/2014)
「あのとき、この本」4コマ漫画(「この絵本が好き!」編集部編/2014)
「まさきの虎」カバーイラスト等(濱野京子/2024)

「「あ・そ・ぼ」やで!」絵本原画(くすのきしげのり/2014)

「あにきは仙術つかい」(1985)高校時代に制作した漫画
「どじょうとのどか」(アイエム名作絵本シリーズ)漫画イラスト同好会時代の作品
「ありがた屋のよいちべえ」(1995)

こうの自身が制作した貴重な同人誌の数々、ブログ「こうのの日々」のスケッチブック、デビュー前のクロッキー帳、同人誌販売の際などに頒布していた告知ペーパー「のののーと」、子供の頃のノート、絵画、デビュー前後に描いていた「ボランティア」誌掲載のイラストと同時掲載の4コマ漫画「はるをと友蔵」、愛用の品、制作風景を撮影した動画など、貴重な資料を多数展示いたします。

関連イベント

EVENT01

こうのさんがトークするよ!

こうのさんが、漫画のこと、日々の暮らしのことをおしゃべりします。

日時

5月2日(金)開演13時30分(開場13時)

会場

金沢21世紀美術館 シアター21

定員

150人

参加費

無料(ただし本展の参加券付チケット[前売りのみ発売]が必要です)

出演

こうの史代(漫画家)、福永信(本展監修者/小説家)

会場物販コーナーでこうの史代さんのご著書をお買い上げいただいた方から、先着20名様にサイン会整理券を配布します。トークショー終了後に同会場で行います。お名前を入れさせていただきますのでご了承ください。

EVENT02

こうのさんがライブペインティングするよ!

この日は展示会場で絵を描いています。

日程

5月3日(土・祝)、20日(火)、21日(水)

時間

各日11時ごろから描いている予定です。少し早かったり、逆に遅く描き始めたりするかも。休憩もするのでいないときもあります。

会場

本展会場内

EVENT03

こうのさんにお手紙が書けるよ!

本展会場内に、ファンレターを書くコーナーを設けます。展覧会を見てくださった方なら、どなたでもご参加いただけます。会場内にある特製ポストに投函してください。こうのさんに直接お渡しします。ふるってご参加くださいね。

EVENT04

アニメーション映画『この世界の片隅に』(片渕須直監督)を特別上映!

クラソ・プレイス香林坊4階シネモンドで特別に上映します。

※上映に関する最新情報はこちら(https://cine-monde.jimdofree.com/)を確認してください。

※イベントは予告なく中止、変更する場合があります。本ページなどでお知らせいたします。

公式図録・グッズ

図録『こうの史代 鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり』

こうの史代の仕事の全貌がわかる図録兼書籍。展示原画の数々に加え、ロングインタビュー、貴重な単行本未収録作品やデビュー前の未発表作品、森下達による詳細な解題のほか、初めて作成されるこうの史代年譜などを収録。アンソロジー集としても読み応えたっぷり!

装幀:佐々木暁
仕様:A5判
発売日:2025年5月刊行予定
出版社:青幻舎

グッズ

本展のための多数の特製グッズ、こうのさん自作のおみくじなど、見てたのしい、買ってうれしい、こうの史代グッズが勢揃いします。

Coming Soon…
グッズの詳細は近日公開!

お問い合わせ

北陸中日新聞事業部 
TEL.076-233-4642(平日10:00~17:00)